クリストフ・モローのインタビュー、「過ちの償い」


http://www.lequipe.fr/Cyclisme/breves2008/20081120_150337_moreau-reparer-l-erreur.html

チーム・アグリチュベルチームが喜びに満ちたシーズンを送ったとしても、
そのリーダー、クリストフ・モローは、ツールドフランスを第7ステージ早々予期せぬ棄権した影響か
さえない顔色をしているように見える。
キャプテンとしての満足感は、個人的な成績におけるフラストレーションを隠さない。
37歳の選手は、15年目を数える長いキャリアにおいて、もう1年延長しようと欲した。
そして今週初め、アルプスでの新シーズン始めのトレーニングを開始した。

ある種の復讐を果たすため:
「お金の問題ではない。自分のキャリアを何か美しいもので終えたいんだ。」

ドフィネ・リベレ2度の勝者、元ツールの優勝者は、
衰えより勝利をより早く忘れてしまう観客との関係を見直す機会をもつことになる:
「長い間、自分自身をプレッシャーの中に押し込めてしまう傾向があった。
時とともに逆上することも少なくなったよ。」

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Q:クリストフ・モロー、手初めの冬のトレーニングはどのようでしたか?

A:このトレーニングは、想像通り、酸素処理(?低酸素とか?)のトレーニングから始まる。
つまり、自転車は用いないプログラムなんだ。
山歩きしたり、バイアスロンしたり、自分の能力を見極めるための自転車以外のトレーニングだ。
最後の水1杯を見つけたとき、疲れもふっとんだ。
このトレーニングを高く評価しているよ。
新入りも2008チームの陽気なムードを見出したと思う。
あるがままの真の精神の状態で、いいエネルギーを共有するのは大事なことだ。



Q:あなたはこのチームのキャプテンですね。
レース外でもチームの気持ちを一つにまとめていますか?

A:この役割が好きなんだ。
フェスタナ時代でもちょっとだけそんな感じだった。
Richard Virenqueを中心に、レース外でもお互いを理解し合っている、仲のいい自転車グループだった。
レースの間、互いに助け合えるように、ちゃんとお互い向かい合わなきゃいけない。
2008年シーズンで自分の良かった点をあげるとすると、そういうことかな。
このチームに自分が来たことによって、多くの結果が生まれた。
時分はフランスチャンピオンジャージを纏ってこのチームにやってきて、他の選手の指導的役割を担った。
その推進力は本当にいいものだった、自分でもそう確信しているよ。



Q:でも個人的レベルではどんな感じでしょうか?

A:よき2007年の後(ドフィネ・リベレの勝利)本当にぱっとしないね。
ツールで途中棄権したことは、何かしら達成感のないものに終わった。
あの時はとても大変で、難しい時期だった。
自分は常に前を走るために自転車を漕いでいるのであって、シートをかけてしまっておくためにじゃない。
いつかはそれを失う日もくることを理解しなきゃならないけど。。



Q:どうして延長しようと決めたのですか?

Aアグリチュベルのチームが自分を信頼してくれていなければ、ここの残ってはいられないね。
チームのマネージャーのダヴィッド・フォルネと合意に達しんたんだ。
いいシーズンにしたいな。
たぶん自分の最後のシーズンになる。自分の犯した罪を償うためにも。


Q:その合意は財政面で犠牲を払って、ということですか?

A:そこは必ず触れなきゃならないところだけど、でもたいして重要じゃない。
これが自分にとってプロとしての15年目になるけど、お金の問題じゃない。
自分が悪いキャリアを過ごしていなければ、自分はもう辞めていただろう。

まだ自分はいいパフォーマンスができるし、パリ・ニースでもいいできだったし、南でのレースは(2位)素晴らしかったよ。
フィジカル面での資質も、モチベーションも、持ち合わせている。
自分のキャリアをなにか美しいもので終えたいんだ。
いいシーズンになれば、引退するには理想的な年になるだろう。



Q:ディレクターのデニス・ルプルはあなたのことを「勝つことを知っている」選手、
「あなたのパーソナリティーは想像されているものと違う」と説明してくれましたが、
あなたはどう思われますか?

A:それは本当だ。
自分が本当の自分の姿を観衆に見せたのは、2007年フランスチャンピオンになった時、
表彰台に自分の娘を連れてきたときだけだ。

そう簡単に自分の胸中を打ち明けるような人間じゃないんだ。
本当の自分の姿は、カメラに写された像ではない。
今は少しは自分を解放するようにしているけど。

長い間、自分はプレッシャーの中に自分を押し込めてしまう傾向があった。
年が過ぎるとともに、逆行することも少なくなったけど。
ちょっとだけ観客との距離をとれるようになった。
バーベキューで後ろに突っ立ってるタイプじゃないけどのは悪いけど。
でも数々のレースには勝ってきた。



Q:どのようなレースに来期は出るつもりですか?

A:アルデンヌに出場するつもりだ。フレッシュ・ワロンヌリエージュ・バストーニュ・リエージュ
それからツールドカタローニュ、ドフィネ・リベレ、そしてもちろんツールドフランス
7月まではあまり変わりはない。

ステージがいくつもあるレースでは、体調にまず気をつけていきたい。
1日1日を大事に、いろんな選手と一緒に走ってね。

今、より自分の力量内になってきた。
自分自身、楽しみたいし、自分の後に続くやつにも楽しんでもらいたい。

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レキップの読者コメントにも「モローは・・」というのがあったのですが、
読んでいるうちに、この人って悪い人じゃないかも・・・
そう思えました。

自転車、そして自転車レースを心から愛すからこそ、
それで犯してしまった過去の過ちを償いたい、
そして自転車レースに、自転車レースに今後携わっていく若手にいいものを残したい、
そんな気持ちが伝わってくるような気がしました。

アグリチュベルの若手たちは、きっと彼から吸収していってくれることと思います。



というか・・・

好きなんでしょうね・・・
自転車に乗るのが・・乗ってレースを走るのが・・・