David Millar チームの精神

http://www.lequipe.fr/Cyclisme/ENTRETIEN_DAVID_MILLAR_1.html


若手有望株、EPO使用によりチャンピオン資格を剥奪され、悔い改め反ドーピング運動に従事する選手・・
31歳のデーヴィット・ミラーは彼のキャリアにおいて、すでにいくつもの光と影を経験した。
ガーミン・スリップストリームチームのモラル面でのリーダーとして、
彼は健全なスポーツの伝道者であることを目指す。
このスコットランド人選手はレキップのロングインタビューに応じてくれた。
内容は彼の個人像、個人的な目標とチームにおける目標、ドーピングの根絶など。



Q:デーヴィット・ミラーさん、チーム・ガーミンでの2年目をどう迎えられていますか?

A:1年前より落ち着いている。
今シーズンは証明していかなきゃならないことがたくさんあった。
チームは構想段階にあったし、自転車以外のことも考えなければならなかった。
チームのシンボルや、スポークスマンの役割は、あまり慣れてなかった。
このチームを大きくしていくことに、本当に意欲をかきたてられていた。
今ようやく、競技のことに集中できるようになったよ。


Q:2008シーズンをどのように考えられますか?

A:競技のレベルでは、自分の目標はチームの結果にあった。自分の目標は二の次。
ジョナサン(Vaughters, マネージャー)はとっても満足してくれている。
でも自分自身は2つか3つ、しくじった。
カルフォルニアツアー(総合2位 ライプハイマーから48秒遅れ)
ジロとツール(タイムトライアル3位)
自分にとって満足は常に勝負の中で得られるものだからね。


Q:来季のあなたの予定は決まっていますか?

A:オーソドックスにle Tour Méditerranéen, Paris-Nice, Milan-Sanremo そして le Critérium Internationalに出たいと思っている。
4月に 一度中断を入れて、Tour de Romanie, le Tour de Catalogne, le Dauphiné Libéré そして le Tour de Franceに参加する。
今シーズン自分の100%をカタールツアーにぶつけなければならなかった。
来季の目標はパリ・ニース。
プロローグはもちろんポディウムだって狙うつもりだ。モンヴァントゥーがプログラムに入ってなくても。
ツールの後は、世界選手権までもっていきたいと思っている。たとえそのコースがちょっと「意地悪」でもね。


Q:豊富な経験と、そして悔い改めた過去をもつ選手として、あなた自身のあり方はこのチームで特殊なのでは?

A:チームの精神として、自分はリーダーの役割を担っている。
それぞれのチームの選手たちをモラルの面で手助けしようとしているんだ。
スポーツ面では、クリスチャン・ヴァンデベルデがもちろん責任を負うだろう。
彼はツールを獲れるんじゃないかと思ってる。
そうなるとレースのキャプテンは自分になるだろう。
このチームにいることにとても誇りを持っているよ。



Q:沢山のルーラーをチームがかかえている上に(Zabriskie, Vande Velde, Backstedt),
Bradley Wiggins (champion olympique de poursuite) や元タイムトライアル世界チャンピオンの Svein Tuftも移籍してきますね。
それはチームの方針でしょうか?

A:大きな賭けにでたんだ。マネージャーのジョナサンがこの決定を下した時、自分は100%彼に賛同した。
タイムトライアルにこんなにも秀でている人材と、最新鋭の機材と、研究と。
Bradley Wiggins と Svein Tuftも加わって、本当に最高のルーラーのチームになった。

個人的には、このチームの雰囲気にとてもほっとするんだ。
仕事のためのチームで、刺激を受けるよ。
サウニエル・デュバル時代は、自分はただのちょっと変ヤツだったから。


Q:ツールドフランスにおけるタイムトライアルの復活は、あなたのチームにとって良い知らせですね。
昨年のジロでも成功を収めましたね。

A:自信を持ってるよ。もちろん。
でもアスタナやCSCも、とてもチームタイムトライアルに強い。
面白いレースになると思う。
ツールドフランスでは、それはたぶん自分たちのチームにとって他のチームに対する1日限りのアドバンテージでしかない。
勝利を勝ち取るために、クリスチャン(ヴァンデベルデ)がライバルからタイムを引き離すのに用いられたらいいね。


Q:本当に勝利のチャンスがあることを信じていますか?

A:今シーズンは、ステージがいくつもあるレースに彼は必ず参加していたんだ。
ジロではマイヨローズも纏ったし、ツールのポディウム争いにも参戦した(第5ステージ)
キャンプにおいても何も変わりない。
もし今と同じコンディションと自信をもってツールドフランスに参加できて、潜在能力のある勝者として走れたなら、マイヨジョーヌから遠くないはずだ。


Q:ランス・アームストロングの復帰は、あなた方アメリカのチームではどのように受け止められていますか?

A:(ちょっと考えて)複雑なんだ。いい面と悪い面がある。
もちろん、彼はアメリカ国内で自転車レースへの関心を掻き立てている。
それと同時に、自分たちのチームに対するメディアの関心も集めているんだ。

スポーツ面ではとても面白くなると思う。
彼がその気になれば、ランスは自転車界になにかいいものをもたらすことができると思う。
でもランスだからな・・
彼のことを話すのは常にちょっと怖いんだ。彼は権力者だし。
クリスチャン(ヴァンデベルデ)はランスの復帰でモチベーションを高めている。
元チームメートだからね。