アンディのダイアリーより

7月29日にアップされていた!?
アンディのブログ、ツール終了数日なのに、来季勝つ気満々、やる気満々です。


http://www.cyclingnews.com/blogs/andy-schleck/from-school-renegade-to-tour-star


学校の変わり者がツールのスターになって


まだ僕が子供だったころ、数学の先生が「大きくなったら何になりたい?」尋ねたんだ。
僕は14才で、なんでもわかってると思っていた。
あの頃は勉強なんて2の次で、自転車一筋。唯一他の感心事は女の子のことぐらいだった。

脱線したけど、ともかく僕の素行の悪さで、先生は僕を教室に立たせてそう聞いたんだ。
そしてその時僕は「ツールに勝つ」そう答えたんだ。

わかった。アンディ。
君がツールに勝ったら、私はパリに行って君のマイヨジョーヌ姿を見に行こう。
そしてルクセンブルグまで歩いて帰ってこよう。
それまで私の授業では行儀良くして、一生懸命勉強するんだ。
それでいいだろう?

今年の夏、その数学の先生はハラハラしながら過ごしたことだろう。
彼はまだあの時と同じ学校で教えていて、みんなこの話をしっているからだ。
「もう歩くためのブーツは用意できた?」
彼はレース中テレビに食らいついていたことだろう。



結局先生は来なくて良かったし、400㎞以上の距離を歩いて帰らなくても済んだ。
でも、来年はウォーキングシューズを履いた彼とパリで会えると信じているよ。




ツールは凄くきつかったけど、
沿道で、そしてテレビやインターネットで見ていてくれた人たちが、楽しんでくれたと思う。
今、Eindhovenのホテルのベットに僕は座っている。
Jakob Fulgsang が隣のベットで横になっていて、
これから起きて、ツール後のクレテリウムに向かう予定だ。



明日は、故郷に向かって、そこのクレテリウムに出場する。
ツール後のクレテリウムは、ツールで活躍した選手が出場しなければならないようなものなんだ。
凄く速くて、激しいけど、凄く楽しい。
観衆のすぐ近くで走れるレースなんだ。僕が心から楽しめるものだ。


ツールは本当に集中しなければならなくて、
始終サインしたり、写真をとられなければならない。
でもクレテリウムの雰囲気は、はるかにもっとリラックスしたものなんだ。



今週末サンセバスチャンにも出場する予定だ。
そしてブエルタではフランクのアシストをするために出場する。
昨年は、病気のせいで途中棄権を余儀なくされた。
今年はもっとリラックスムードで臨むつもりだ。できればコンディションだけはツールのままで。
フランクはブエルタでいい走りを見せれるだろう。
だから、出来る限りのサポートをしたいと思うんだ。





でもブエルタの前に、自分の時間を絶対持ちたい。
数日のオフは、家で引きこもって過ごすつもりだ。
ツールは最初から最後まで凄いストレスの連続だった。
だから、気分を入れ替えるためにも、家に戻ることが楽しみなんだ。
多分、釣には行くと思う。
そして落ち着いて再出発ができると思う。
何をするかは本当にわからないけど、でも何も予定がないことを考えると嬉しくなるんだ。



ツールで何が起こったか、もうちょっと詳しく語らなくてはならないと思う。
多分、テレビで僕を見ている人が多いと思うし、もう十分僕の発言は読んだと思う。
でもあと2、3付け加えておきたいことがある。
まずは、チームに凄く感謝しているということだ。
来季に関するいろんな憶測が今年は飛び交っていた。でもチームの選手達、料理人、いろんな分野のスタッフは、
本当にプロらしく仕事をしてくれていた。
チームは素晴らしく僕のサポートをしてくれた。
だから公の場所で、大きな感謝の気持ちを表したかったんだ。




僕のツールの最高の瞬間は、やっぱりマイヨジョーヌをまとった時だった。
以前にもビックレースに優勝したり、ポディウム入りしたけど、
マイヨジョーヌを纏えるときは、本当に素晴らしい瞬間なんだ。
生まれてから行ったことのないような場所に、僕を連れて行ってくれるものだ。



学校にいる子供の時、ツールと言えばマイヨジョーヌのことだった。
以前学校から家まで、マイヨジョーヌを着ると言い張って走ったことがある。
小さな登りは、トゥルマレのようだった。
マイヨジョーヌを纏った日のことを、障害忘れないだろう。



パリに着く前のタイムトライアルに話を移すと、
僕はいい走りができると分かっていた。
コースも僕向き。たとえそれが真っ平坦だったとしても。



マイヨジョーヌからたったの数秒だと聞いた時、凄くマイヨジョーヌが近付いてきているのを知った。
出来る限りを尽くした。
あのマイヨジョーヌを纏った感触を思い出しながら。
そしてそれを失った時、どんなに悲しかったかを。
僕の心は、子供のころ、レースでマイヨジョーヌ獲得を主張していたころに戻っていた。
最終的に、アルベルトが速かった。
彼は僕よりもっとアエロディナミックだった。
でも僕は自分を最後まで信じていた。



来年、僕は立場を逆にして、ツールに勝つ。
今年のプロローグは失敗。それは認めなければならない。
でもフランクが落車で棄権したのは、大きな損失だった。
もし、僕たち2人が山岳ステージで走っていたとしたら、すべては全く違うものになっていただろう。
でも、今、自分はアルベルトに打ち勝てることが分かった。
そしてそのことは僕にものすごく大きな自信とモチベーションを、来季に向けて与えてくる。



多分、僕の数学の先生は、結局長い距離を歩かなくてはならなくなるだろう。